絣が出来上がるまでの作業はおよそ30工程にもおよび、完成まで約2カ月要します。
皆様に、より絣を知っていただくために、
反物がどういうふうに作りあげられていくのかを簡単にご説明します。
まず絣の柄のデザインを行います。久留米絣作りはここから始まります。
デザイン画を方眼紙のような図案専用用紙に書き、経緯(たてよこ)糸の配分・配置を決めます。 経糸だけでも柄・糸の種類によっては1100 本近くの糸を使用します。
手織りの場合、絵紙に合わせ経尺をつくります。これは後に工程に出てくる工程のくくり作業で必要となります。
仕上がり時に、縮みなどが生じるためその縮み分を計算し、絵紙を書き直します。
緯糸の柄部分をくくる際、目印となる種糸を作ります。
絣の経糸配分が決まると織るのに必要な糸を用意します。通常750 本~1120 本の経糸を使用します。
経糸と同様に織るのに必要な緯糸を用意します。
糸の不純物を取り除くため2~4 時間ほど沸騰したお湯につけます。
絣の経糸配分が決まると織るのに必要な糸を用意します。通常750 本~1120 本の経糸を使用します。
作業を進める時に、糸の乱れを防ぐため糸にのりをつけます。
柄になる部分を糸や※粗苧(あらそ)で縛ります。また、機械によるくくりもあります。くくった部分は染色時に色がつかずほどいたところが柄になってゆきます。 ※粗苧(あらそ)=麻の一種をひも状にする
藍染で染めるための準備を藍建(あいだて)といいます。
糸の染色を行います。藍染めは染まりをよくするため糸をたたき空気を入れ酸化させ染めるという作業を15~20 回ほど行います。
染めた際、糸についた不純物やアクなどを洗い流します。
括った部分をほどきます。
再び洗い染めた色を際立たせます。
織りの工程へ入る前糸が乱れないよう再びのりづけし天日干をします。
経糸を柄になるよう束ねていきます。
絵紙で決めた糸数にならい無地糸とかすりを並べていきます。
織り機に経糸をセットする為巻き箱に巻き取ります。
巻き箱に巻き取ったものを上下に分かれた綜こうに通します。
経糸を一本一本繋いで織機にセットします。
図案の配分を考え、緯糸を糸篠にあわせて割ります。
緯糸を緯取枠に巻きます。
緯は、手織りの場合は緯取枠から杼に入れる竹管に巻き動力織りの場合はトングという板に巻きます。
手織りと動力機による織りがあり、どちらも経験と技術を必要とします。
織りあがった布を防縮・色とめをかね湯通し、乾燥させます。そうすることで工程途中につけた糊が取れ、風合いがよくなります。
傷などの有無を検査・確認しながら長さをはかります。
久留米がすり協同組合にて検査・合格したものが、ようやく皆様のもとへ届きます。